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「子どもの成長を助ける関わり」に関するワークショップ報告

2025年6月28日開催 びわこ家族会ワークショップ報告:子どもの成長を助ける関わりとは?
皆さん、こんにちは!木津川ダルク代表理事の加藤武士です。本日のファシリテーターを務めさせて頂きました。

2025年6月28日に開催された「びわこ家族会」では、「アパリファミリープログラム」第6回ワークショップとして、「子どもの成長を助ける関わりについて」というテーマで皆さんと深く考える時間を持ちました。薬物依存症は、ご本人だけでなく、ご家族全体に大きな影響を及ぼす複雑な問題です。このワークショップが、その解決に向けた大切な一歩となれば幸いです。

ワークショップで学んだこと:4つの柱
今回のワークショップでは、以下の4つの目標を設定し、皆さんと一緒に深掘りしていきました。
* お子さんの心の成長と回復に必要な関わりを理解すること。
* 親の価値観を押し付けたり、罰したりする方法には限界があることを認識すること。
* お子さんとの関わりにおいて、回復を促進し、トラブルを軽減するための親の考え方を掴むこと。
* そして何よりも、ご家族自身が心から伝えたい思いや気持ちを再確認すること。
「子どもが本当に求めていること」を考える
ワークショップの冒頭では、「相手の心の成長回復を助けるために何が必要か」という問いかけから、活発な意見交換が行われました。皆さんの経験に基づいて、「言われて嬉しかった言葉」や「お子さんにかける言葉として大切だと思うもの」を共有いただきました。
特に印象的だったのは、「人から受け入れられ、ほっとできること」そして「安心感や安全感(大丈夫?安心していいよ)」という言葉を重要視される方が多かった点です。
一方で、「頑張れ」という言葉や「良い成績を上げてほしい」という期待に対しては、「もう十分頑張っているのに、これ以上言われるのは辛い」「具体的な行動を伴わない励ましは響かない」といった率直な声も聞かれました。たとえ肯定的な言葉であっても、お子さんの心情や状況によっては、素直に受け取られないこともあるのですね。

親の価値観と子どものニーズ:幼少期の振り返りから
ご自身の幼少期を振り返っていただき、親御さんからの言葉や関わり、そして「かけてほしかった言葉」を共有する時間も設けました。
「褒められた記憶が少なく、手伝いも当たり前と認識されていたので、もっと認めてほしかった」というお話や、「常に周囲と比較され、親の感情を優先して自分の感情を抑えてきた」という苦悩が語られました。これらの経験は、親がよかれと思って行った関わりが、お子さんにとって心理的な負担となったり、自己肯定感の形成を妨げたりする可能性を示唆しています。特に薬物依存症の問題を抱えるご家族の場合、親御さんの関わり方が意図せず問題の複雑化につながるケースも少なくないことが改めて浮き彫りになりました。

薬物依存症を持つお子さんへの具体的な関わり方
ワークショップでは、薬物依存症を抱えるお子さんへの具体的な声かけについても深く議論しました。例えば、部屋に引きこもり、奇妙な行動を続ける息子さんを持つお母さんの事例では、息子さんを責めるのではなく、お母さん自身が直面している具体的な困りごと(例:異常な電気代)を伝え、共に解決策を模索するアプローチが提案されました。
そして、薬物依存症からの回復には、「安心できる場所」と「無条件の受け入れ」が極めて重要であると強くお伝えしました。薬物の使用そのものに一喜一憂するのではなく、その背景にある苦しみや葛藤に焦点を当て、本人が安心して正直な気持ちを表現できる関係性を築くことの意義を皆さんと共有しました。

考察:完璧な関わりは存在しない
今回のワークショップを通じて、薬物依存症からの回復において「完璧な関わり方」は存在しないという共通認識が深まりました。罰や矯正は効果的な方法ではなく、むしろ回復を阻害する要因となり得ます。再犯を重ねるごとに刑務所への再入所率が高まるという現実が示すように、健康的な人間関係や居場所の喪失が回復の困難さを増大させます。
薬物依存症の問題は複雑であり、ご家族は常に試行錯誤を繰り返しながら、お子さんやご自身の「よりよく生きる」ために、ベストを尽くしてこられました。今、大切なのは、新たな視点で関わり方を見つけることです。時には厳しさも求められますが、それは突き放すことではなく、回復に必要な距離を設けることや、専門家の支援を求めることを意味します。

2025年6月28日開催 びわこ家族会ワークショップ報告:子どもの成長を助ける関わりとは?
皆さん、こんにちは!木津川ダルクのファシリテーター、加藤武士です。
先日、2025年6月28日に開催された「びわこ家族会」では、「アパリファミリープログラム」第6回ワークショップとして、「子どもの成長を助ける関わりについて」というテーマで皆さんと深く考える時間を持ちました。薬物依存症は、ご本人だけでなく、ご家族全体に大きな影響を及ぼす複雑な問題です。このワークショップが、その解決に向けた大切な一歩となれば幸いです。
ワークショップで学んだこと:4つの柱
今回のワークショップでは、以下の4つの目標を設定し、皆さんと一緒に深掘りしていきました。
* お子さんの心の成長と回復に必要な関わりを理解すること。
* 親の価値観を押し付けたり、罰したりする方法には限界があることを認識すること。
* お子さんとの関わりにおいて、回復を促進し、トラブルを軽減するための親の考え方を掴むこと。
* そして何よりも、ご家族自身が心から伝えたい思いや気持ちを再確認すること。
「子どもが本当に求めていること」を考える
ワークショップの冒頭では、「相手の心の成長回復を助けるために何が必要か」という問いかけから、活発な意見交換が行われました。皆さんの経験に基づいて、「言われて嬉しかった言葉」や「お子さんにかける言葉として大切だと思うもの」を共有いただきました。
特に印象的だったのは、「人から受け入れられ、ほっとできること」そして「安心感や安全感(大丈夫?安心していいよ)」という言葉を重要視される方が多かった点です。
一方で、「頑張れ」という言葉や「良い成績を上げてほしい」という期待に対しては、「もう十分頑張っているのに、これ以上言われるのは辛い」「具体的な行動を伴わない励ましは響かない」といった率直な声も聞かれました。たとえ肯定的な言葉であっても、お子さんの心情や状況によっては、素直に受け取られないこともあるのですね。
親の価値観と子どものニーズ:幼少期の振り返りから
ご自身の幼少期を振り返っていただき、親御さんからの言葉や関わり、そして「かけてほしかった言葉」を共有する時間も設けました。
「褒められた記憶が少なく、手伝いも当たり前と認識されていたので、もっと認めてほしかった」というお話や、「常に周囲と比較され、親の感情を優先して自分の感情を抑えてきた」という苦悩が語られました。これらの経験は、親がよかれと思って行った関わりが、お子さんにとって心理的な負担となったり、自己肯定感の形成を妨げたりする可能性を示唆しています。特に薬物依存症の問題を抱えるご家族の場合、親御さんの関わり方が意図せず問題の複雑化につながるケースも少なくないことが改めて浮き彫りになりました。
薬物依存症を持つお子さんへの具体的な関わり方
ワークショップでは、薬物依存症を抱えるお子さんへの具体的な声かけについても深く議論しました。例えば、部屋に引きこもり、奇妙な行動を続ける息子さんを持つお母さんの事例では、息子さんを責めるのではなく、お母さん自身が直面している具体的な困りごと(例:異常な電気代)を伝え、共に解決策を模索するアプローチが提案されました。
そして、薬物依存症からの回復には、「安心できる場所」と「無条件の受け入れ」が極めて重要であると強くお伝えしました。薬物の使用そのものに一喜一憂するのではなく、その背景にある苦しみや葛藤に焦点を当て、本人が安心して正直な気持ちを表現できる関係性を築くことの意義を皆さんと共有しました。
考察:完璧な関わりは存在しない
今回のワークショップを通じて、薬物依存症からの回復において「完璧な関わり方」は存在しないという共通認識が深まりました。罰や矯正は効果的な方法ではなく、むしろ回復を阻害する要因となり得ます。再犯を重ねるごとに刑務所への再入所率が高まるという現実が示すように、健康的な人間関係や居場所の喪失が回復の困難さを増大させます。
薬物依存症の問題は複雑であり、ご家族は常に試行錯誤を繰り返しながら、お子さんやご自身の「よりよく生きる」ために、ベストを尽くしてこられました。今、大切なのは、新たな視点で関わり方を見つけることです。時には厳しさも求められますが、それは突き放すことではなく、回復に必要な距離を設けることや、専門家の支援を求めることを意味します。

最後に
今回のワークショップは、薬物依存症の問題と向き合うご家族が、自身の関わり方を再考し、新たな視点を得るための貴重な機会となりました。一朝一夕に全てを解決することは不可能ですが、一歩ずつ、より良い関わり方を学び、実践していくことの重要性が改めて強調されました。薬物依存症はご家族全体に影響を及ぼす疾患であり、ご家族が自らの困難に向き合い、適切な関わり方を模索するプロセスは、ご本人の回復だけでなく、ご家族自身の精神的な健康と「よりよく生きる」ためにも不可欠であると強く感じています。
次回もまた、皆さんと一緒に深く学び、支え合える場を提供できるよう努めてまいります。ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。

2025年 9月21日(日)第18回アディクションフォーラムin滋賀。

日 時:2025年 9月21日(水)13:00~16:30

場 所:明日都浜大津 ふれあいプラザ4Fホール
滋賀県大津市浜大津4丁目1-1

講 師:今成 知美氏 テーマ『依存症を正しく知って回復を応援する社会へ』

お問合せ:滋賀県立精神保健福祉センター内アディクションフォーラムin滋賀実行委員会 TEL 077-567-5010

 

 

2025年7月27日(日)茨城ダルク33周年フォーラムが開催されました。

日 時:令和7年 7月27日(日)10:00~ 受付9:30~

場 所:場所:栃木県下都賀郡野木町友沼181番地
エニスホール(野木町文化会館)TEL0280-57-2000

参加費:無料(資料代 1.000円)

※状況にあわせマスクの着用にご協力ください。